カバーアート基礎編

更新日: 2023.10.31

研究室や企業様のホームページで、「論文がカバーアートに採用されました!」というお知らせを見たことがある方は多いと思います。また、論文が採択された際に、ジャーナルからカバーアート募集のお知らせがあった時に、応募しようか悩まれている方もいらっしゃるでしょうか。

の記事では、カバーアートに関心をたれた方、カバーアートについて説明していきます。

カバーアートとは

カバーアートとは、ジャーナルの表紙などに掲載されるイラストのことです。ジャーナルに掲載されている論文をモチーフにしたものであることが多いです。

カバーアートは、掲載される場所の違いにより、フロントカバー、インサイドカバー、バックカバー、インサイドバックカバー、と呼び方が異なります

ジャーナルによって、募集しているカバーアートの種類と数は異なります。

カバーアートの種類

フロントカバーカバーアートと聞いて最初にイメージされることの多い、ジャーナルの表紙の外側の枠

インサイドカバージャーナルの表紙の内側の枠

バックカバージャーナルの裏表紙の外側の枠

インサイドバックカバー裏表紙の内側の枠

複数種類のカバーアートを同時に募集しているジャーナルもあり、フロントカバーのみの募集より採用数が多いことになるので、チャレンジしてみると良いのではないでしょうか。

カバーアートの掲載金額

によって違いがありますが、10万円〜20万円の掲載費がかかります。かなりの金額ですよね。

しかし、金額を理由にカバーアートをすっかり諦めてしまう、というのはもったいないです。論文をより多くの人に知ってもらう効果を期待できるのも事実だからです。

具体的にどんな宣伝効果が期待できるのか、次の章で詳しく見ていきます。

カバーアートの効果

実績のシンボルとなる

冒頭でも紹介したような、「論文がカバーアートに採用されました!」といったことをHPなどに掲載できます。論文がジャーナルに載った、カバーアートに採用された、ことを示すシンボルになります。

論文や研究に興味を持ってもらうきっかけとなる

ジャーナルを見た人たちに、イラストを通じて論文や研究に興味を持ってもらうきっかけとなります。

より多くの人に論文や研究を知ってもらえる

SNSなどで拡散してもらうことでより多くの人に論文や研究を知ってもらうことができます。ジャーナルがSNSなどで紹介されるときにサムネイルなどでカバーアートが載ることもあり、多くの人に知ってもらう機会が増えます。

また、カバーアートが面白かったり印象が強いものであれば、カバーアート単体でもSNSで拡散してもらえるようなことがあります。

二つ目と三つ目は、カバーアートの視覚的インパクトによる利点であり、他の記事で紹介しているグラフィカルアブストラクトの利点と共通する部分があります。グラフィカルアブストラクトについては、ちらの記事ご覧ください。

申し込み方法と選定されるためのポイント

申し込み方法

申し込み方法はジャーナルによって異なるのですが、各ジャーナルのAuthor Guidlines(投稿規定)に詳細が載っています。申し込みの手順や金額などを確認してみましょう。

選定方法

申し込んだ後の選定のされ方もジャーナルによって異なるのですが、コンペ形式がとられることが多いです。一つの枠に対して、複数枚のカバーアートの申し込みがあり、その中から一枚が選定される形です。

選定されるために工夫できること

コンペで選ばれるために大事ことは、投稿するジャーナルの過去のカバーアートを見て、好まれるイラストのトーンをつかむことです。

いくつかのジャーナルを見比べていただくと、ジャーナルによってカバーアートの雰囲気が異なることがわかります。

ジャーナルのこれまでのカバーアートのイメージに沿う、ジャーナルの求めるイメージにあったカバーアートを作成する工夫をしてみてください。

カバーアートの制作を依頼する

デザインの知見がないままカバーアートを制作するのは、骨が折れる大変な作業だと思いますので、専門のデザイン会社に依頼することも検討いただきたいです。

株式会社miseruでは、専門的な科学イラストの制作を行なっております。科学の研究をしていた経験のあるデザイナーが制作を担当しますので、科学的正しさと、見た目のインパクトを両立させたイラスト制作ができることが、私たちの強みです。

これまでに制作した科学イラストの事例は、こちらをご覧ください。

まとめ

今回は、カバーアートの基礎的な事項を説明していきました。

少しでもカバーアートに関する疑問が解消されたり、カバーアートに興味を持っていただけたりしましたら幸いです!